とらわれのない人生を生きるために
今、我々が日常的に行っている医療は、西洋医学が中心です、
精神科においても入院治療、外来治療、作業療法、心理療法と細分化され、それぞれの専門家が細部にこだわり治療を行なっている。ともすれば、全体が見えにくくなっています。
しかし、
内観療法は、東洋的な側面、全体を観る方向に重点が置かれており、それを強調すべきなのでしょう。実際、集中内観、日常内観はお互いに密に関連しあっています。

これは、
森田療法も同様で、外来森田療法、入院森田療法、森田的作業療法、グループホーム、五感の賦活化などはすべて一体のものであり、決して細分化され個別に考えるものではなく、その人の人生、生きる活力を中心とした自然治癒力の発揮のための一体のものであると考えらます。

これは、細分化された即効性のある西洋医学と全体的ではあるが効果が見えにくい東洋医学との差異と同じです。
即効性という点で西洋医学はとても優れています。
しかし、体に負担がかからないというメリットが東洋医学にあります。
西洋医学、東洋医学、どちらも有効な治療法です。
どちらにも長所と短所があるため、補い合うことが必要です。
最近、統合医療という考え方が広まってきており、
柔軟な考えが、精神医療の中でも進んでいるように感じます。
例えば、集中内観は、同室者同士で隣の屏風で起こっている雰囲気、息遣い、感情の変化なども感じながら行われますが、個別の精神療法の側面と集団精神療法的な側面の両面をもっています。また集中内観、日常内観は一体であり、そこに距離感はありません。これを、大変大雑把ですが西洋的な細分化で表現するなら以下のようになるのでしょうか。
集中内観 ⇒ 入院個人精神療法 集団精神療法
日常内観 ⇒ 外来個人精神療法 作業療法
森田療法においても、西洋医学的な分類をすれば
入院森田 ⇒ 入院個人精神療法 作業療法
外来森田 ⇒ 外来個人精神療法 作業療法 デイケア
生活の発見会集団会 ⇒ 集団精神療法
しかし、内観療法の創設者である吉本伊信も森田療法の創設者である森田正馬も、決して細分化は望んではいなかったと思います。
日本の精神療法(内観療法、森田療法)に西洋的な細分化は似合わず、総合的に人生の再構築を目指すべきなのです。
